日記

慰霊の園 (日航機墜落事故慰霊塔)

慰霊の園

慰霊の園


昭和60年8月12日夕刻、日航機JA8119号機が上野村の御巣鷹山の尾根に墜落し、520名の尊い命が昇天されました。本来ご遺族のもとに帰り供養されるべきご遭難者の遺体の一部が行方不明処置となり、上野村に骨壺の姿で残されることになりました。
上野村の村民は事故処理のお手伝いを通して、事故のすさまじさ、ご遺族の悲しみを目のあたりにし、このような事故が2度と怒らないように願い、520の聖霊を祀ることが上野村村民に課せられた責務であると考えるに至りました。
上野村は険しい山々に囲まれ平坦な土地のほとんどないところではありますが、この趣旨に賛同した村民融資が土地を御巣鷹山の尾根に向かって合掌した姿の慰霊塔が末永く聖霊をお守りすることになりました。
ここ異例のえんにご参拝いただく皆様と共々、末永く御霊をお慰めし交通安全を祈ってまいりたいと存じます。

合掌

慰霊の園

慰霊の園


住所:群馬県上野村楢原
主たる事務所:〒370-1614多野郡上野村大字川和11番地 
TEL:0274-59-2111

慰霊の園案内図

慰霊の園案内図

1985年08月12日に発生したJAL123便(JA8119)の墜落事故によって乗員乗客524名のうち520名が亡くなり、そのうち身元確認をとれなかった方々が、慰霊塔の裏側の納骨堂に埋葬されています。今でこそ道路が整備され行きやすくはなっていますが、場所的に平らな場所もほとんどなく、交通網がほとんど発達していないこの場所に飛行機が落ち、その処理をすることの大変さは想像を超えたものだったと思います。

この地で起きてしまったことは、決して忘れてはなりません。
立ち返るべき原点を、折にふれ確かめなければなりません。

慰霊の園のには小さな資料館(無料)もあり、そこには123便に乗っていた人たちの写真付きのアルバムや千羽鶴、その当時の新聞記事や搭乗者名簿も置いてありました。2度とこんな事故は起こしてはならない。そのためにはどうすべきなのかひとりひとり考えなければいけないと私は思いました。

慰霊の園資料館

慰霊の園資料館


慰霊の園資料館2

慰霊の園資料館2

最後に、黒岩理事長が述べられた1周年の式辞を載せておきます。

追悼慰霊行事・1周年式辞 
昭和61年8月3日 於:上野村・慰霊の園    

財団法人慰霊の園 理事長 黒澤丈夫
時の流れは早く、あの悲しい事故の日から1年の歳月が流れて、旬日の内に一周年を迎えようとして居ります。
 この間、上野村は、身元識別が不可能となった御遺体を法の定めるところによって葬送すると共に諸霊を御遺族と共に永代供養する立場に置かれることになりました。
 このことに伴って、上野村民は、去る12月21日、御遺骨を村に迎えて以来、如何にして御霊を祭り慰め供養すべきかと、想いを廻らし且議して、本日を予定して慰霊の式典を挙行する準備を進めて参りました。
 然しながら、約7か月の期限の中で、計画の大綱を纏め、法人を設立し、位置を決して用地を求め、設計を練り、資金を調達し、発注施工して、その構えを整えることは、中々に難事でありました。幸いにして、多くの方々の博愛の心に発する指導、援助、協力を戴き得て、今ここに納骨を終え祭壇を設けて、財団法人慰霊の園の名に於て式典を挙げ得ますことは、誠に感謝、感謝感謝の至でありますと共に、上野村民の真心を表し得たものと拝します。
 諸霊願わくば、天降りまして我等の意の存する所をお汲み取り下さい。顧みて事故の日を想えば、故障発生後諸霊が思い悩まれた機内の様子が偲ばれ、墜落後の御巣鷹の尾根の惨状が目に浮かび、最愛の人を失って悲歎にくれる御遺族の姿に悲涙が流れます。噫、何たる悲惨、何たる無情、人の世は無常とは申せ、尚幾多春秋に富んで人生に成すべき所多い520もの命が、断ち難い恩愛の契を事故ゆえに無残に断ち切られた心中を察しては、誰か血涙を禁じ得ましょうや。
 上野村の天地はこの情に沈んで、人も山も川も過去一年を喪に服する心で、只管諸霊を祭り慰める道を考究し、参拝に便利なここ中越、村山の丘を諸霊の墓所と定め、納骨堂、慰霊塔を中心とする霊園を建設して参りました。それは、我等が子々孫々まで、諸霊を祭り慰めて、供養を忘れること無き為であり、且は大事故の戒めを末代に伝えて、万民と共に空の安全を希求せんとするが故であります。
 上野村民は、今諸霊をこの地に祭り得て厳かに祈ります。諸霊願わくば、この地に心安かに眠り、我等と共に上野村の天地に懐かれ給えと。
 更に願わくば、御遺族が諸霊との別離の悲しみを乗り越えて、幸福で意義ある人生を築くためには、幾山坂の苦難を克服して進まねばなりません.御遺族に勇気を与え給え。今御霊前に立てば、事故の被害の及ぶところ大なるをしみじみと感じます。事故は力の限りを尽くして防がねばなりません。この反省、この決意と実行こそ諸霊に捧げる最高の供物と信じます。
 関係者一同は厳粛に誓っています。事故の撲滅に力の限りを尽くしますと。諸霊もって御冥福せられ、天界より導いて過ちなからしめ給え。
 終りに私は、諸霊と上野村民との交わりが、霊界と現世と遠く離れて始まったことを悲しく思います。我々は霊の存在を信じ真心をもって諸霊を供養申しあげます。

  庶幾くば安んじて
    眠り給え

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