江戸時代からうどんを食べる習慣があった群馬県では、地域ごとに個性的なうどんがあり、水沢うどん、桐生うどん、館林うどんは群馬の三大うどんとして有名です。
桐生名物「ひもかわうどん」
桐生地方に伝わる幅広麺のうどんを「ひもかわ」と呼びます。また、織物のまちにふさわしく「帯うどん」とも呼ばれます。「ひもかわ」は、きしめんのルーツでもある「芋川うどん」がなまったものと伝えられています。
麺の幅は1.5㎝から10㎝以上と店によってさまざま。幅は広いが厚みは1㎜程度と薄く、つるんとしたのど越しも特徴のひとつです。
将軍にも献上された「館林うどん」
昔から良質の小麦の産地で、日清製粉グループ本社の前身「館林製粉」発祥の地でもある館林のうどんは、切り出した麺を竹ざおにかけ天日で半乾燥させてつくり、柔らかいがコシの強い風味豊かな味わいが特徴です。江戸時代の中頃より館林藩の名物として将軍家に献上されたの記録も残っています。
郷土料理「おっきりこみ(おきりこみ・きりこみうどん)」
幅広の生麺を野菜中心の具とともに煮込んだ料理。12世紀に新田義重が、宮中の料理を上州に伝えたのが起源とされています。うどんとの違いは、麺に塩を加えないこと、生麺のままゆでるため、打ち粉が溶け出してつゆにとろみが出ること。「郷土料理百選」(農水省)で、群馬県の郷土料理に選ばれました。