webマーケティングコンサルタント 染川 裕(somyu)のブログ

マーケティングで押さえておきたい4つのこと

マーケティングを調べてみますと、wikiでは

企業や非営利組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である。

とあります。

つまり、マーケティングとは、「お客様にとって必要なものがいきわたる様に行う活動のこと」と私は解釈しています。

ただ、なんとなくわかったようなわからないような感じだと思いますので、

もう少し細かく説明します。

マーケティングで知っておくべき言葉・概念はそんなに多くありません。

 

マーケティングの基本用語

ベネフィットとはなんぞや

お客様があなたの商品を買うのは、商品自体が欲しいのではありません。商品がお客様にもたらす何か良いこと、それを買っているのです。

よくつかわれるのが、セオドア・レビット(Theodore Levitt)の有名な言葉

 

「ドリルを買いに来た人が求めているものは、ドリルではなく穴である」

 

商品自体がほしいのではなく、それにもって何が変わるのか(出来るのか)?が重要なのです。

車を買うのは、いろいろなところに簡単に行けるということが欲しい

(まぁ高級車に乗っている方はステータスを求めているので、車をひとくくりにするのは難しいですが。)

 

ポップコーンマシーンをレンタルするのは、イベントでたくさんの方の笑顔が見たいから。

 

お客様が欲しい、何か良いこと、問題解決、なのですね。

お客様は、あなたの商品が欲しいわけではなく、自分の生活によい変化をもたらす何かが欲しい。

当たり前のことですが、ついつい忘れてしまいがちです。

つまり、「必要なものがいきわたる」という部分です。

「穴」「いろいろなところに行きたい」「笑顔」がそれぞれ価値なのです。

 

差別化と強み

お客様に価値を提供すれば買ってもらえるかというとそうもいきません。もちろん競合する商品もあるでしょう。
その競合商品よりも、あなたの商品の方の差別化を伝え、それをお客様に納得していただく必要があります。

競合商品と全く同じであれば、安い方を買いますよね。
価格競争力を持つのは素晴らしいことですが、価格だけで勝負すると、体力勝負になってしまいます。
売上ばかり伸びても利益が伸びなければやっている意味がなくなってしまいます。
競合もあなたも、両方にとって苦しくなるばかりでしょう。

競合商品ではなく、あなたの商品を買う理由、競合商品との違いをお客様にお伝えする必要があります。

強みについては、3つの方向性で考えると良いでしょう。

手軽軸:より低価格で、より便利に買いやすくする

安くて早い理容店。例えば、10分1000円のQBハウス

商品軸:最新の技術の製品、最高のサービスを提供する

最新技術・流行を駆使するカリスマ美容師。表参道などの繁華街にある。

密着軸:お客様のことをよく知り、望み・わがままをかなえる

お客様のことをよく知り、おしゃべりもうまく、「いつもと同じね」と言えばいつも通りに切ってくれる

 

セグメンテーションとターゲティング

あなたの強みがわかったら、または、決まったら、それを評価してくれるお客様はどんな人かを探りましょう。

あなたの強みを評価してくれないお客様を長期的に維持するのは難しいです。

もちろん、評価してくれなくても、買っていただければそれでいいのですが、それを頼りにすると、売上が安定しません。

そのお客様が評価する強みを提供する顧客に簡単に奪われてしまいます。

あなたの強みが、きめ細やかなサービスなのであれば、それを評価してくれるお客様を定義するのです。

セグメンテーション、というのは、お客様を分けることです。

ターゲティングは、分けたお客様のどれかに絞ることです。

あなたがある市場を独占していればいいですが、通常は競合(広い意味での競合も含めて)が存在します。ですから、絞るのです。

セグメンテーションとターゲティングは常にセットです。
絞らない、狙わないのであれば、分ける(セグメンテーション)必要はありませんし、狙うためには、分けることが必要です。

ですから、セグメンテーションとターゲティングは常にセットになります。

やり方については色々ありますが、

セグメンテーションの本質は、ニーズが違うから分ける

ということです。分類手法、統計などはあくまで手段です。マーケティングのプロほどこの本質を見落としがちです。

 

4Pとお客様視点(4C)

具体的にどのように差別化して、どのようにお客様を絞っていくか、という切り口が4Cです。

しかしこれは、お店側からの視点です。

ここにもベネフィットの視点が必要となってきます。

4Pは、下記のようにお客様視点(4C)に置き換えることができます。

Product(製品) ⇔ Commodity(消費者のニーズとウォンツの解明こそが商品である。)
Price(製品価格)⇔  Cost(価格はコストの一部。消費者は商品の価格だけではなく購入コスト、時間コストを費やしている。)
Place (陳列場所)⇔ Channel(場所ではなく買い易さが大切。)
Promotion(促進) ⇔ Communication(広告は売り込むのではなく納得させること。)

電化製品を売るのであれば、

製品
・どんな電化製品が求められているのか?

製品価格
・購入コスト、時間コストを考えても適正な価格か?

陳列場所
・ネット販売、量販店、自社ショップ、などのチャネル

販促
・テレビコマーシャル、折込チラシ、店頭のPOP、営業マンのセールストークや人脈、メルマガ、DM、フリーペーパー、カタログまで含めた売るための仕掛け

ポイントは、あなたの強みを、あなたの強みを評価する顧客に訴えられるような

4Pお客様視点(4C)はどんなものかということです。

「高級路線で差別化しよう」と言っても、お客様には伝わりません。

お客様に商品を直接アピールできるのは、製品、価格、POP、広告、店舗・ホームページ営業担当者などです。

「差別化」を具体的なものとして、お客様に直接「価値」を提供するものが4Cなのです。

 

最後にまとめますと、

ポイントは、「お客様にとって必要なものがいきわたるにはどうすべきなのか?」

●お客様が求めているベネフィットは何か?

●ベネフィットを満たす上で、自分が競合より優れている点(差別化ポイント)は何か?

●その差別化ポイントを評価してくれるお客様はどんな方か?

●具体的にどんな4Pお客様視点(4C)で差別化するのか?

マーケティングの本質は、「お客様にとって必要なものをいきわたらせる」という単純なことですが、

なかなかそれだけでは、何をしたらいいのかわからないと思います。

上記4つのポイントを整理して、やるべきことの優先順位をつけ、ひとつひとつこなしていくことが、

マーケティングをしているということになるのではないでしょうか?

  • B!