インバウンドマーケティングとは広告出稿などに頼るのではなく、興味のある消費者は自ら検索をしたりソーシャルメディアで聞いたりして調べてくれるということを信じて、消費者自身に「見つけてもらう(Get found)」ことを目的としたマーケティング施策のこと。
■提唱者
ブライアン・ハリガン(HubSpot社CEO)、ダーメッシュ・シャア(HubSpot社共同創業者)
従来の広告を中心としたマーケティング手法を「アウトバウンド・マーケティング」として、そうではなく消費者が「ウェブを利用して自ら見つけ出す」ことを前提としたマーケティング手法が「インバウンド・マーケディング」です。
インバウンドマーケティングが登場した背景
・何か気になることがあった際には検索エンジンを利用して調べる
・商品やサービスを購入した際にはその感想(賛否ともに)をソーシャルメディアで発信
このような行動が当たり前になった現代では、これまで以上に消費者の評価が重要になるとともに、そうしたオンライン上のコメント(クチコミ)が認知や来訪の導線となってくるものと思われます。
インバウンドマーケティングの3つのポイント
インバウンドマーケティングはマーケティング活動を大きく3つのステージで段階的に分け、出来ること出来ないことを分類し、出来ることを明確化しながら、抜けのないようなマーケティング活動を行います。
1.見込み客の創出
人々に「見つけられ」てサイトにトラフィックを呼び込み、コンテンツの提供によってその人たちから期待と信用を得て、個人情報を提供してもらうまでの潜在顧客を集める段階です。
2.見込み客の育成
潜在顧客の購買マインドを高め、購買プロセスを進めていくコミュニケーションのステージ、ここでいうコミュニケーションは、企業からの一方的な情報提供ではなく、お客様の悩みや不安を、聞き出しそれにこたえるようなインタラクティブ(双方向性)をとれる形でなければなりません。解決したときのイメージを思い描けるように表現すると効果的です。
3.クロージング
購買意欲の高まった見込み客とのクロージングのステージ
お客様の意向を十分に酌み取りながら、有効なコミュニケーションを継続的に行なっていくことでクロージングとなります。
このうち、インバウンドマーケティングが得意とするのは「見込客の創出」と「見込客の育成」の部分です。
まず、人が求める役立つ情報をWebに掲載し、検索エンジンとソーシャルメディアを通じて見つけられ、自社Webサイトにトラフィックとして呼び込みます。
その際、集めたい人たちがどんなキーワードで検索して、どんなコンテンツを求めているかをしっかりと検討・検証しながら定期的に優良なコンテンツを追加していくことがポイントになります。
そして、プレミアムコンテンツ(小冊子、お得な情報など)と呼ばれる情報価値の高いコンテンツを用意し、その提供と引換えにサイト来訪者から個人情報と継続コンタクトの許諾を得るように設計します。
獲得した見込み客は「購買」からは未だ遠いところにいることがほとんどです。そこから更なる情報提供を通じて、欲しいという思いや自分にとって必要だとの確信を育成・醸成していきます。
相手にとって最適なタイミングで、最適な内容のコンテンツを提供することが重要なポイントになります。見込み客の現状について、Web上での行動やコンテンツとの交換で入手する情報とを整理し、判断しながら有効なコミュニケーションを継続的に行なっていくことになります。