前橋駅周辺に生えていた、ヘクソカズラ(屁糞葛)を見てきました。
日当たりのよい場所に、よく自生している、いわゆる雑草です。
あまりにもひどい名前がついていますが、素敵な色合いの可愛らしい花を咲かせます。
※一度見たら忘れられないほど印象的な花であるが、名前も一度聞いたら忘れられないほどのインパクトがありますよね。
※そんな名前では可哀想であるとサオトメバナ〔早乙女花〕という別名を広めようと努力した人もいたらしいですが、インパクトのあるネーミングには太刀打ちできなかったとのこと。残念です。
日本全土に分布していて、色は白色に、中心部分は落ちついたアズキ色というシックな色合いをしています。赤ではなくアズキ色であるところが、名前とは違い、高貴な雰囲気をかもし出していますよね。つるを伸ばしながら、一生懸命に、小さな花をズラリと連なって咲かせていました。
開花時期は、8月~9月で、花後すぐに果実をつけます。
大きさは5mmほどの球形で、中に2個のタネが入っています。
黄褐色に熟していきますが、冬になると光沢のある茶褐色になります。
果実のなる様も、なかなか趣のある風情で、リースや生花の花材などに使用されています。
ヘクソカズラの特徴
つる性で、どこにでも巻きついて伸びていく。
葉や茎を傷つけるとに悪臭が出る。
臭いの強さは季節によって異なるといわれる。
→ 秋になるとあまり気にならなくなるらしい。
繁殖力が強く、生育旺盛。
どんな環境の元でもたくましく育っていく。
茎の下部は、枯れずに木化して、約1cm太さに木化状となる。
葉は対生で、長さ4~10cm、幅は2~7cm。
幼い苗や日当たりの悪い場所などでは、小さく、葉もまばらになる。
花や葉を揉んだり、果実をつぶしたりすると、悪臭がただよう。
※これは虫の食害を防ぐためと考えられる。
茎や葉が傷つくと、メルカプタンというガスを発生する。
季節により、臭いの強さが異なるという。
※しかし、このガスの抗体をもつ虫も存在する。
ヘクソカズラヒゲナガアブラムシは、ヘクソカズラの汁を吸うだけでなく、悪臭成分も蓄えて自らの敵から身を守っている。
ヘクソカズラ〔屁糞葛〕の薬用利用
中国では、全草が薬用にされる。
日本でも果実は、しもやけ、あかぎれなどの薬として利用されてきました。
※乾燥したものは臭いが消える為、乾燥したものを使うことが多いそうです。
名前の由来
ヘクソカズラ 〔屁糞葛〕 - 和名
葉や茎に悪臭があることから名づけられた。
※古名はクソカズラ〔糞葛・屎葛〕。
万葉の頃はクソカズラと呼ばれたが、後に「屁」も付け加えられたとのこと。
ヤイトバナ 〔灸花〕 - 別名
◇花の中心部の小豆色が、お灸をすえた跡に似ていることによる。
◇花を逆さにして人の肌に伏せると、灸をすえているように見えることによる。
※お灸の「灸」は「ヤイト」と読み、字の通りお灸のこと。
サオトメバナ〔早乙女花〕 - 別名
花が並ぶ様を、早乙女が田植えをしている姿に例えたものという。